相撲(すもう)=素舞(すまい) 「すまひ」は「素舞」で力強い「しこ」(醜足)を踏むことに本来の意味がある。邪を祓う舞踏。

『民俗小事典 神事と芸能 吉川弘文館』より 現行の相撲には大相撲のような競技相撲のほかに祭儀相撲がある。 二人が向かい合い高く足を挙げて足踏みを繰り返し、最後に肩を抱き合って飛び廻る。 神主から授かった榊の枝を「ホーイホーイ」の掛声に合わせて上…

「おれより仕合わせになれ」~大蛇退治の場面がない素戔嗚尊/老いたる『素戔嗚尊(芥川竜之介)』

素戔嗚尊 芥川龍之介 www.aozora.gr.jp www.aozora.gr.jp え? 大蛇退治は(笑)? 「おれはお前たちを祝(こと)ほぐぞ!」 素戔嗚は高い切り岸の上から、遙かに二人をさし招いだ。「おれよりももつと手力(たぢから)を養へ。おれよりももつと智慧を磨け。…

隼人族の風俗舞のすがた~黙劇・無言劇~声を用いず,身体の動きや顔の表情のみを表現手段とする芸能。

隼神 空幸彦 愛称「ぶさお」 【芸能】より…記紀の海幸・山幸(うみさちやまさち)説話に見えるウミサチヒコがヤマサチヒコの前で溺れるさまを演じたという所作などは,宮廷の祭儀の折に行った隼人族の風俗舞のすがたを伝えるものである。またこの時代,允恭天…

舞い方(後編)

■大左右・左拍子~おおざゆう・ひだりびょうし 左右の変形で、扇を広げて行なうことが多い。大左右の場合は、左へ3足、右へ出る足は不定(5~7足)。右ウケより続き、最初、左へ出るときは右足を左足にかけて(ねじるときもある)、左足から左、右、左と…

舞い方(前編)

■下二居(下居)~したにい・したい 両足のかかとを床につけずに上げ、左膝を低めにするとよい構えになる。かかとが床にべったりとつくと、左膝が高くなってしまう。右足を後ろに引き、体に密着させるようにする。右足の位置が大事。左膝と上体を密着させる…

舞の基本

■構え(カマエ) 基本姿勢。所作(型)のこと。腰と下腹に力を集中させ、背筋を伸ばし、四方(上下・左右・前後)のバランスを保つ。すべての所作は構えに終始。 ■下ニ位(舞のはじめと終わりの型) 舞い始めるときと終わりのとき、片膝を立てて下に居る型。…

海神豊玉彦と阿曇磯良

■大綿津見神 ワタツミ・ワダツミ(海神・綿津見)とは日本神話の海の神。「ワタ」は海の古語、「ツ」は「の」を表す上代語の格助詞、「ミ」は神霊の意であるので、「ワタツミ」は「海の神霊」という意味。転じて海・海原そのものを指す場合もある。 ●綿津見…

あれ? おれ、斬られるんじゃね?

あれ? おれ、斬られるんじゃね? 斬蛇垂義勇範 清地(すがち)神社 東泉 詠歌成文化初 清地(すがち)神社 東泉

竜宮・龍宮と海神と蛇

■龍宮・竜宮(りゅうぐう) 竜宮城、水晶宮、水府は、日本と中国に伝わる海神にまつわる伝説に登場する海神の宮。龍(たつ)の宮、龍(たつ)の都、海(わたつみ)の宮などとも呼ばれる。河川、湖沼が龍宮への通路となっている場合もある。 ■綿津見神宮(わ…

風水龍王と大蛇・豊玉姫(高良玉垂宮伝承)

『高良玉垂宮神秘書 訳文』より ■天神七代 天照大神その素戔嗚尊へを持て余して天の岩戸に籠った。日の神が籠ったので日本は暗闇となった。その時五人の神楽 八人の女性 笛を吹き鼓を打ち拍子を揃えて神楽をはじめた。面白いかと思い扉を少し開いた。人影が…

海幸彦は「阿多隼人の祖」「隼人等が始祖」

今こそ、隼人。 『隼人族の抵抗と服従』より引用いたします。 【ハヤトの語源】(2P) ①猛禽類(もうきんるい)の隼(はやぶさ)のイメージから出たという説。 ②性格による説(本居宣長『古事記伝』) 隼人は絶(すぐ)れて敏捷(はや)く猛勇(たけ)るが故…

満珠・干珠は潮の干満を支配する珠にして、龍宮城の宝物と伝ふる所なり。

【潮満瓊・潮満珠】 潮を満ちさせる呪力があるという玉。満珠(まんじゅ)。しおみつに。しおみつたま。 【潮涸瓊・潮干珠】 潮をひかせる効力をもつ玉。干珠(かんじゅ)。しおひるに。しおふるたま。 ※古事記(712)上 「塩盈珠(しほみつたま)を出して溺らし、…

草部吉見大明神国龍命

そもそも、草部吉見大明神国龍命と申し奉るは、天神七代野後地神五代の終、葺不合尊御子神武天皇御時時中秋、宮居の池より出で給うなり。 尊いわく。吾此の池に住む事久し。いま、神武天皇の産まれ給うを見て出でたりと宣ゆえ、吉見神と申し奉る。その元は、…

随神(ずい‐じん) 主神に随行し、警護する神。

昨日、下関の住吉荒魂本宮に参拝させていただきました。 ■随神(ずい‐じん) 主神に随行し、警護する神。 私の直面に似てますよね(笑)?

片脚の母趾球(足の親ゆびの付け根)か踵(かかと)を支点にして全身を旋回させる。

舞の旋回法にはさまざまなやり方があります。私は、片脚の母趾球(足の親ゆびの付け根)か踵(かかと)を支点にして全身を旋回させております。左右への切り返し動作が多いので、膝を曲げた状態でハムストリングス(もも裏の筋肉)を使うことで効率的な方向…

四股を踏むような所作で十五夜踊りを踊る(鹿児島)

十五夜行事の基本構造より 十五夜の大綱を、とぐろ状に巻いたり、蛇とみなしている事例が各地にある。また「竜神」という言葉もあるが、下野敏見氏は、竜神の概念は相当発展した文化レベルに位置するもので、農漁民の間では蛇とか大蛇と理解していたと述べ、…

吉福社中 吉原狐舞稽古 yoshiwara-kitsune.jimdofree.com 日本の古き良き仮面劇である神楽の魅力を今に伝え、わかりやすく面白い芸能としての革新を目指す神楽団「吉福社中」の百合之介@吉福社中(狐太夫)さまの指導の元、安部塾東京IBUKIにて稽古をつけてい…

自分のまわりに境界線を引く~歩行で結界を張る~足踏み・引きずり

古代舞の足さばきには、歩行呪術がとりいれられております。一定の方則に従って足を踏み歩行する=足さばきをする作法には、呪術的な効果があると考えられていたそうです。 ・四股(醜足) ・田楽 ・神楽 ・申楽(猿楽) ・念仏踊り ・六方 そして、反閇と禹…

金屋子神は八幡神?

玉鋼の杜 金屋子縁起と炎の伝説 36P~ 石塚尊俊氏は、金屋子神の縁起書や、口伝から、金屋子神は八幡神であろうかと説いておられる。火は日と音の一致が示しているように、火の神は元来日の神である。金屋子神は通常女神であったとされているが、だが、それ…

ヤアタノオロチノマイ

11月21・22日、奥出雲にて「八岐大蛇乃舞」を舞います。 紀元前15世紀頃のアナトリア半島で、人類で最初に製鉄法を発明した古代ヒッタイト帝国の首都「ハットゥシャ」……八頭蛇と読めることからつながりがあるのではないかとする説があります。他民族が青銅器…

硬さと軟らかさという相反する性質を、ひとつの身体につくりだす。

鋼だけでつくる本焼き包丁の動画。刀をつくれる人間にしかできない技術。 硬さと軟らかさという相反する性質を、1本の包丁につくりだす。 鋼は、熱してから急激に冷やすと硬くなる。 ゆっくりと冷やすと、軟らかくなる。 波紋は、硬さと軟らかさの境界線。 …

日本刀の美しさ

日本刀鍛冶 吉原義人さまの動画 古代製鉄からの現代まで、連綿とつながれてきた技術。素晴らしいです。 「刀身だけを見て美しいと思う日本の文化」が好きです。

「ひょうたん(瓢箪)」

昨日、宇佐で舞の採り物となる「ひょうたん(瓢箪)」を仕入れてまいりました。 舞採物「ひょうたん」 溝口ひょうたん本舗さまの天然ひょうたんは、とても品質が良いです。 溝口ひょうたん本舗さま ひょうたん由来記 「霊は窪んだ物に依る」とされ、「採り物…

息災乃舞と増益乃舞

息災(滅罪)乃舞は、一心に懺悔し罪業を除くことで災禍が起こらないように祈り、障礙を息(や)すめる舞です。今年の春に新型コロナウイルス流行鎮静を祈って舞いました。流行は鎮まりつつありますが、コロナ禍により経済状況がよくありません。なので、繁栄…

吉野裕子 『日本人の死生観 ― 蛇信仰の視座から』 (講談社現代新書) - ひとでなしの猫

ひとでなしの猫 吉野裕子 『日本人の死生観 ― 蛇信仰の視座から』 (講談社現代新書)

蛇木(ははき)~箒(ほうき)を採物として舞う

採物とは、舞人が手にして舞う神聖な物であり、神の降臨する依代(よりしろ)です。手に採物を採って舞うという行為には清めの意味があります。それは同時に舞人が神懸(かみがか)りする手だてともなります。採物を手に持って舞うことにより、神力が発動する…

基本稽古の積み重ね の日々

新型コロナウイルスCOVID-19(coronavirus disease 2019)流行対策のため、外出を自粛し自宅で稽古をしておりました。春夏の舞台がすべて吹き飛んだので、基本の動きの稽古の積み重ねをしておりました。派手な動き・アクロバティックな動きは、わかりやすい…

新型コロナウイルス流行鎮静化祈願成就!

舞瀬 私たち日本国における新型コロナウイルスCOVID-19流行が、いったん鎮静化いたしました。尾身茂先生の御指導の元、挙国一致して日本国民が動いた結果だと思います。諸外国から見ると、「どうして日本は死者が少ないの?」と理解不能なようですが、日本…

流浪・漂泊・遍歴の遊芸民~芸能の原点は、舞い、歌い、踊ることにより、神々の世界と交流し、「狂う」ことです。

その昔、民衆を楽しませた「芸能」の本質には『流浪性・漂泊性』がありました。かつての民俗社会では、正月や節分などに芸能者が各家を訪れ、祈祷をし、おめでたい言葉を唱える行事が行なわれていました。日本の民間芸能・民間信仰は漂泊民抜きには語れませ…