■構え(カマエ)
基本姿勢。所作(型)のこと。腰と下腹に力を集中させ、背筋を伸ばし、四方(上下・左右・前後)のバランスを保つ。すべての所作は構えに終始。
■下ニ位(舞のはじめと終わりの型)
舞い始めるときと終わりのとき、片膝を立てて下に居る型。立っているところから右足を引き、そのまま右膝を床につけ、左膝を立てる。両つま先を立て、右のかかとに軽く腰をのせる。左手は膝頭に当て、右手は扇を握って膝の上におく。目線は目の高さの前方に、上半身は真っ直ぐに、腹部に力を込めて背筋を伸ばし大きく構える。
■常の構え(立つとき)
立ち姿の基本の型。舞いはじめにも途中でも、この型から始まり、この型へ戻る大事な構え。しっかり床を踏みしめる。目線は目の高さで遠くにおく。両足をそろえ、下腹に力を入れて立つ。両膝にはゆとりをもたせ、両腕は丸みをもたせる。
左右に体が傾かないように均等に重心をおき、やや上半身を前へかけ、腰を少し後ろへ引きバランスを保つ。頭は上へ引き上げる。左手は扇をもつ右手と同じようにし、軽く握る。
■運び(ハコビ=すり足)
普通に歩くのではなく、腰で体を運ぶような心持ちで、すり足で、上体が揺れたり上下しないように、滑るように運ぶ。足の裏全体で、床をするように運歩する。腰に力を集中させ、構えを崩さないように移動する。
①均等に立つ
②左足を滑らせるように出す
③左足のつま先を上げる
④左足へ体重を移しながら、つま先を下ろす(かかとを上げすぎない)
⑤右足を滑らせるように出す
⑥右足のつま先を上げる
⑦右足に体重を移しながら、つま先を下ろす
⑧繰り返す
■足の原則
●出る足
1、前へ出るときは、左足から出る。
2、左へ出るときは、左足から出る。
3、右へ出るときは、右足から出る。
4、左右と下がったあとは、左足から出る。
●止まる足
1、常の構えで止まるときは、左足で止まる。
2、右手が出ている(上がっている)ときは、右足で止まる。
3、左手が出ている(上がっている)ときは、左足で止まる。
4、角(すみ)へ出たときは、左足で止まる。
5、両手を広げて止まるときは、左足で止まる。
●下がる足
1、左足から下がる。
2、開(ひらき)の足は3足(左・右・左)で下がる。
3、サシの足は2足(左・右)で下がる。
●向きを変える動作(ねじる・ひねる)
足の位置(立っている場所)をかえずに、出る方向に足を向ける。ねじるときは体重をややつま先にかけながら、腰の力(ひねり)で行なう。
1、右へねじって、右へ進む。体重を左に移動させながら向きをかえると、スムーズに足が出る。
2、左へねじって、左へ進む。体重を右に移動させながら向きをかえると、スムーズに足が出る。
●かける
向く方向に対して、外側の足を内側の足のすぐ前へ、向く方向へもっていく。向く方向によって、かける足の深さ(角度)が異なる。
1、右へ向くときのかけ方は、左足をかけて右へ出る。左足は右足のつま先の方向へ丸みをつけて出す。その出し方は向く角度によって異なる。体重を出した足にかけながら、右足を同じ方向に向ける。その後、右足から進む。
2、左へ向くときのかけ方は、右足をかけて左へ出る。右足は左足のつま先の方向へ丸みをつけて出す。その出し方は向く角度によって異なる。体重を出した足にかけながら、左足を同じ方向に向ける。その後、左足から進む。