2020-01-01から1年間の記事一覧

自分のまわりに境界線を引く~歩行で結界を張る~足踏み・引きずり

古代舞の足さばきには、歩行呪術がとりいれられております。一定の方則に従って足を踏み歩行する=足さばきをする作法には、呪術的な効果があると考えられていたそうです。 ・四股(醜足) ・田楽 ・神楽 ・申楽(猿楽) ・念仏踊り ・六方 そして、反閇と禹…

金屋子神は八幡神?

玉鋼の杜 金屋子縁起と炎の伝説 36P~ 石塚尊俊氏は、金屋子神の縁起書や、口伝から、金屋子神は八幡神であろうかと説いておられる。火は日と音の一致が示しているように、火の神は元来日の神である。金屋子神は通常女神であったとされているが、だが、それ…

ヤアタノオロチノマイ

11月21・22日、奥出雲にて「八岐大蛇乃舞」を舞います。 紀元前15世紀頃のアナトリア半島で、人類で最初に製鉄法を発明した古代ヒッタイト帝国の首都「ハットゥシャ」……八頭蛇と読めることからつながりがあるのではないかとする説があります。他民族が青銅器…

硬さと軟らかさという相反する性質を、ひとつの身体につくりだす。

鋼だけでつくる本焼き包丁の動画。刀をつくれる人間にしかできない技術。 硬さと軟らかさという相反する性質を、1本の包丁につくりだす。 鋼は、熱してから急激に冷やすと硬くなる。 ゆっくりと冷やすと、軟らかくなる。 波紋は、硬さと軟らかさの境界線。 …

日本刀の美しさ

日本刀鍛冶 吉原義人さまの動画 古代製鉄からの現代まで、連綿とつながれてきた技術。素晴らしいです。 「刀身だけを見て美しいと思う日本の文化」が好きです。

「ひょうたん(瓢箪)」

昨日、宇佐で舞の採り物となる「ひょうたん(瓢箪)」を仕入れてまいりました。 舞採物「ひょうたん」 溝口ひょうたん本舗さまの天然ひょうたんは、とても品質が良いです。 溝口ひょうたん本舗さま ひょうたん由来記 「霊は窪んだ物に依る」とされ、「採り物…

息災乃舞と増益乃舞

息災(滅罪)乃舞は、一心に懺悔し罪業を除くことで災禍が起こらないように祈り、障礙を息(や)すめる舞です。今年の春に新型コロナウイルス流行鎮静を祈って舞いました。流行は鎮まりつつありますが、コロナ禍により経済状況がよくありません。なので、繁栄…

吉野裕子 『日本人の死生観 ― 蛇信仰の視座から』 (講談社現代新書) - ひとでなしの猫

ひとでなしの猫 吉野裕子 『日本人の死生観 ― 蛇信仰の視座から』 (講談社現代新書)

蛇木(ははき)~箒(ほうき)を採物として舞う

採物とは、舞人が手にして舞う神聖な物であり、神の降臨する依代(よりしろ)です。手に採物を採って舞うという行為には清めの意味があります。それは同時に舞人が神懸(かみがか)りする手だてともなります。採物を手に持って舞うことにより、神力が発動する…

基本稽古の積み重ね の日々

新型コロナウイルスCOVID-19(coronavirus disease 2019)流行対策のため、外出を自粛し自宅で稽古をしておりました。春夏の舞台がすべて吹き飛んだので、基本の動きの稽古の積み重ねをしておりました。派手な動き・アクロバティックな動きは、わかりやすい…

新型コロナウイルス流行鎮静化祈願成就!

舞瀬 私たち日本国における新型コロナウイルスCOVID-19流行が、いったん鎮静化いたしました。尾身茂先生の御指導の元、挙国一致して日本国民が動いた結果だと思います。諸外国から見ると、「どうして日本は死者が少ないの?」と理解不能なようですが、日本…

流浪・漂泊・遍歴の遊芸民~芸能の原点は、舞い、歌い、踊ることにより、神々の世界と交流し、「狂う」ことです。

その昔、民衆を楽しませた「芸能」の本質には『流浪性・漂泊性』がありました。かつての民俗社会では、正月や節分などに芸能者が各家を訪れ、祈祷をし、おめでたい言葉を唱える行事が行なわれていました。日本の民間芸能・民間信仰は漂泊民抜きには語れませ…

舞う人は神となってその場を浄化することができるのであり、それ自体がひとつの呪術として認識されていた。

「呪術の本」学研 87-88Pより 呪術者としての漂白芸能者 ◎踊りで場を浄化する「歩き巫女」 歩き巫女は、『日本書紀』において天照大神鎮座すべき地を求めて大和から伊勢へとさすらった倭姫命(垂仁天皇の皇女)を祖とするとされる。 しかし、実際には歩き巫…

基本・基礎練習を積み重ねる時期

新型コロナウイルスCOVID-19流行対策で、完全休業して自宅に引きこもって基本・基礎練習の積み重ねをしております。じたばたすることなく腰を据えて細かな身体の使い方を見直す時期だと感じております。 金珠之遣#キンタマキラキラ金曜日 pic.twitter.com/A…

4月4日(土)吉川八幡神社春大祭にて疫病鎮静之舞を奉納させていただきました。

2020年4月4日(土)吉川八幡神社春大祭にて疫病鎮静祈願之舞を納めてまいりました。新型コロナウイルスCOVID-19(coronavirus disease 2019)対策のため、関係者のみでの斎庭祭祀の後、古代呪術における疫病鎮めの作法を舞にうつして奉納させていただきまし…

猿田彦大神『疫病鎮静之舞・踏み鎮めと邪斬り』

3月22日(日)、笠沙恵比寿にて「猿田彦大神・疫病鎮静之舞」を納めてまいりました。踏み鎮めと邪斬りにて、祈りをこめて舞いました。 猿田彦大神。笠沙恵比寿での踏み鎮めと邪斬り。 pic.twitter.com/nezKXQg0zy — 安部吉孝@大蛇之儛人・身体操作指導者 (@y…

笠沙舞瀬で「瓊瓊杵尊欣喜雀躍之舞」を納めてまいりました。

3月21日(土)鹿児島県笠沙舞瀬で瓊瓊杵尊の舞を納めました。10年以上の願いが叶いました。 装束をまとい、枇榔(びろう=あじまさ)の葉を手に、舞瀬で舞うのが夢でした。 笠沙舞瀬 瓊瓊杵尊 笠沙舞瀬 瓊瓊杵尊 笠沙舞瀬 瓊瓊杵尊 鏡と剣の舞 笠沙舞瀬 瓊瓊…

笠沙での創作舞の演目

3月21・22日の笠沙での創作舞の演目です(3月16日現在)。 ■野間神社(咒師) ①四方拝・方堅・鈴舞 ■舞瀬1(瓊瓊杵尊) ①上陸 ②御幣 ③鏡 ④剣 ⑤欣喜雀躍 ■舞瀬2(瓊瓊杵尊)~神渡(瓊瓊杵尊・木花咲耶姫) ①鳥舞(隼人の比礼) ②盾(隼人の盾) ③内容未…

笠沙の舞瀬での舞について

南さつま市笠沙町黒瀬には、古来より親から子へ、子から孫へ、年寄りから若者へ語り継がれてきた言い伝えがあります。 「天孫ニニギノミコトが海を渡って笠沙の黒瀬海岸にやって来た」というお話です。 はるかはるか遠い太古の昔、日本の国がまだ倭の国と呼…

目指す処が自然体な以上、自然の理に叶った肉体と精神となる。「手を上げるのも、足拍子を踏むのも首を振るのでさえも腰でするのだ」

むら版 続・踊るヒント見るヒント 村 尚也 続・踊るヒント見るヒント 村尚也 演劇出版社出版事業部 より 洋舞系の人々やスポーツマンが若い時の華々しい活躍に比して、早く引退を迎えてしまうのは、解剖学の知見では、肉体の可能性追求によるストレスが大き…

指の表現・手の表現・足の表現

「踊るヒント 見るヒント 村尚也 演劇出版社出版事業部」より ふつう舞踊で真っ直ぐ指を伸ばした場合、親指は掌中に折り込むか、または外側にピッタリとつけるかします。これは親指の持つ他の四指とは違った特殊性が、自己主張を表わす自我の指とされるから…

令和2年吉川八幡神社春大祭で、鎮めの舞を奉納いたします。

令和2年4月4日(土) 吉川八幡神社 春大祭 一年の五穀豊穣を祈念する予祝の祭りとして執り行われる祈りの春の祭りです。 安部塾で、鎮めの舞を奉納させていただくことになりました。 真摯な祈りを捧げに来てください。 令和2年4月4日(土) 吉川八幡神社 春大…

大蛇、疫病鎮めの舞を舞う。

無観客で、猿田彦大神面・瓊瓊杵尊面とともに疫病鎮めの舞を舞いました。 大蛇・猿田彦大神・瓊瓊杵尊(天邇岐志国邇岐志天津日高日子番能邇邇芸命) 3/22(日)に笠沙で、4月4日(土)に大阪の吉川八幡神社さまで、鎮めの舞を舞わせていただきまさす。吉川…

いわながひめの舞~ひどく醜いということは、ひきかえに永遠の命をもたらす

岩長姫の動きが美しいです。 maturinookkake.blog.fc2.com 『古事記』では石長比売、『日本書紀』と『先代旧事本紀』では磐長姫とされています。福岡県糸島市志摩船越にある若宮神社では、苔牟須売(こけむすめ)神として祀られています。 大山津見神(おお…

着物の袖に鳥装のシャーマンの名残。

1000ya.isis.ne.jp 古代、鳥は天地を自由に飛翔できる霊力をもつと考えられたのかもしれません。稲の神さまを連れてくるとも、 祖霊を連れてくるとも考えられていたようです。祭祀においても神意を告げるシャーマンは鳥装をして、その袖を激しく振りながらタ…

面(おもて)は、神の依代です。

八百万の神々~神楽面の世界 より 能面と伝来の仮面の違いについて考えてみましょう。能面は縄文仮面のように顔の前面に付ける「付け面」です。しかし伝来の仮面は顔全体すっぽり被ってしまう「被り面」です。能面は鬼畜面までも人間の顔をモチーフにしてい…

3月22日「笠沙の底力」で舞います(笠沙恵比寿:鹿児島県南さつま市笠沙町片浦)

3月22日(日)鹿児島県南さつま市笠沙町片浦の笠沙恵比寿で行われる「笠沙の底力」で舞います。 笠沙の底力:笠沙恵比寿 笠沙の底力:笠沙恵比寿 安部塾は、創作舞で参加いたします。 コラボするシーゲル小野さまのコメント。 去年からにわかに笠沙の土地と…

舞踊の世界はまったく一本の扇に終始する。

吉野裕子全集 第1巻 人文書院 32-34P 舞踊の世界はまったく一本の扇に終始する、といっても過言ではない。武士でいえばさしずめ刀にも当たるのが日本舞踊の扇である。 その扱い方のむずかしさは別として、扇がこの世の種々様々のものを表現できる代物なのに…

瓊瓊杵尊さまの神面をつけてみました。

瓊瓊杵尊 神面 美豆良(みずら・角髪)の髪がまだ用意できていないので、ガッソを使いました。髪の大切さがよくわかります。装束もまだなので、白作務衣で。 木彫りの面なので、和紙の姫面と質感が違います。木には木の良さが、和紙には和紙の良さがあります…