舞う人は神となってその場を浄化することができるのであり、それ自体がひとつの呪術として認識されていた。

「呪術の本」学研 87-88Pより 呪術者としての漂白芸能者 ◎踊りで場を浄化する「歩き巫女」 歩き巫女は、『日本書紀』において天照大神鎮座すべき地を求めて大和から伊勢へとさすらった倭姫命(垂仁天皇の皇女)を祖とするとされる。 しかし、実際には歩き巫…

基本・基礎練習を積み重ねる時期

新型コロナウイルスCOVID-19流行対策で、完全休業して自宅に引きこもって基本・基礎練習の積み重ねをしております。じたばたすることなく腰を据えて細かな身体の使い方を見直す時期だと感じております。 金珠之遣#キンタマキラキラ金曜日 pic.twitter.com/A…

4月4日(土)吉川八幡神社春大祭にて疫病鎮静之舞を奉納させていただきました。

2020年4月4日(土)吉川八幡神社春大祭にて疫病鎮静祈願之舞を納めてまいりました。新型コロナウイルスCOVID-19(coronavirus disease 2019)対策のため、関係者のみでの斎庭祭祀の後、古代呪術における疫病鎮めの作法を舞にうつして奉納させていただきまし…

猿田彦大神『疫病鎮静之舞・踏み鎮めと邪斬り』

3月22日(日)、笠沙恵比寿にて「猿田彦大神・疫病鎮静之舞」を納めてまいりました。踏み鎮めと邪斬りにて、祈りをこめて舞いました。 猿田彦大神。笠沙恵比寿での踏み鎮めと邪斬り。 pic.twitter.com/nezKXQg0zy — 安部吉孝@大蛇之儛人・身体操作指導者 (@y…

笠沙舞瀬で「瓊瓊杵尊欣喜雀躍之舞」を納めてまいりました。

3月21日(土)鹿児島県笠沙舞瀬で瓊瓊杵尊の舞を納めました。10年以上の願いが叶いました。 装束をまとい、枇榔(びろう=あじまさ)の葉を手に、舞瀬で舞うのが夢でした。 笠沙舞瀬 瓊瓊杵尊 笠沙舞瀬 瓊瓊杵尊 笠沙舞瀬 瓊瓊杵尊 鏡と剣の舞 笠沙舞瀬 瓊瓊…

笠沙での創作舞の演目

3月21・22日の笠沙での創作舞の演目です(3月16日現在)。 ■野間神社(咒師) ①四方拝・方堅・鈴舞 ■舞瀬1(瓊瓊杵尊) ①上陸 ②御幣 ③鏡 ④剣 ⑤欣喜雀躍 ■舞瀬2(瓊瓊杵尊)~神渡(瓊瓊杵尊・木花咲耶姫) ①鳥舞(隼人の比礼) ②盾(隼人の盾) ③内容未…

笠沙の舞瀬での舞について

南さつま市笠沙町黒瀬には、古来より親から子へ、子から孫へ、年寄りから若者へ語り継がれてきた言い伝えがあります。 「天孫ニニギノミコトが海を渡って笠沙の黒瀬海岸にやって来た」というお話です。 はるかはるか遠い太古の昔、日本の国がまだ倭の国と呼…

目指す処が自然体な以上、自然の理に叶った肉体と精神となる。「手を上げるのも、足拍子を踏むのも首を振るのでさえも腰でするのだ」

むら版 続・踊るヒント見るヒント 村 尚也 続・踊るヒント見るヒント 村尚也 演劇出版社出版事業部 より 洋舞系の人々やスポーツマンが若い時の華々しい活躍に比して、早く引退を迎えてしまうのは、解剖学の知見では、肉体の可能性追求によるストレスが大き…

指の表現・手の表現・足の表現

「踊るヒント 見るヒント 村尚也 演劇出版社出版事業部」より ふつう舞踊で真っ直ぐ指を伸ばした場合、親指は掌中に折り込むか、または外側にピッタリとつけるかします。これは親指の持つ他の四指とは違った特殊性が、自己主張を表わす自我の指とされるから…

令和2年吉川八幡神社春大祭で、鎮めの舞を奉納いたします。

令和2年4月4日(土) 吉川八幡神社 春大祭 一年の五穀豊穣を祈念する予祝の祭りとして執り行われる祈りの春の祭りです。 安部塾で、鎮めの舞を奉納させていただくことになりました。 真摯な祈りを捧げに来てください。 令和2年4月4日(土) 吉川八幡神社 春大…

大蛇、疫病鎮めの舞を舞う。

無観客で、猿田彦大神面・瓊瓊杵尊面とともに疫病鎮めの舞を舞いました。 大蛇・猿田彦大神・瓊瓊杵尊(天邇岐志国邇岐志天津日高日子番能邇邇芸命) 3/22(日)に笠沙で、4月4日(土)に大阪の吉川八幡神社さまで、鎮めの舞を舞わせていただきまさす。吉川…

いわながひめの舞~ひどく醜いということは、ひきかえに永遠の命をもたらす

岩長姫の動きが美しいです。 maturinookkake.blog.fc2.com 『古事記』では石長比売、『日本書紀』と『先代旧事本紀』では磐長姫とされています。福岡県糸島市志摩船越にある若宮神社では、苔牟須売(こけむすめ)神として祀られています。 大山津見神(おお…

着物の袖に鳥装のシャーマンの名残。

1000ya.isis.ne.jp 古代、鳥は天地を自由に飛翔できる霊力をもつと考えられたのかもしれません。稲の神さまを連れてくるとも、 祖霊を連れてくるとも考えられていたようです。祭祀においても神意を告げるシャーマンは鳥装をして、その袖を激しく振りながらタ…

面(おもて)は、神の依代です。

八百万の神々~神楽面の世界 より 能面と伝来の仮面の違いについて考えてみましょう。能面は縄文仮面のように顔の前面に付ける「付け面」です。しかし伝来の仮面は顔全体すっぽり被ってしまう「被り面」です。能面は鬼畜面までも人間の顔をモチーフにしてい…

3月22日「笠沙の底力」で舞います(笠沙恵比寿:鹿児島県南さつま市笠沙町片浦)

3月22日(日)鹿児島県南さつま市笠沙町片浦の笠沙恵比寿で行われる「笠沙の底力」で舞います。 笠沙の底力:笠沙恵比寿 笠沙の底力:笠沙恵比寿 安部塾は、創作舞で参加いたします。 コラボするシーゲル小野さまのコメント。 去年からにわかに笠沙の土地と…

舞踊の世界はまったく一本の扇に終始する。

吉野裕子全集 第1巻 人文書院 32-34P 舞踊の世界はまったく一本の扇に終始する、といっても過言ではない。武士でいえばさしずめ刀にも当たるのが日本舞踊の扇である。 その扱い方のむずかしさは別として、扇がこの世の種々様々のものを表現できる代物なのに…

瓊瓊杵尊さまの神面をつけてみました。

瓊瓊杵尊 神面 美豆良(みずら・角髪)の髪がまだ用意できていないので、ガッソを使いました。髪の大切さがよくわかります。装束もまだなので、白作務衣で。 木彫りの面なので、和紙の姫面と質感が違います。木には木の良さが、和紙には和紙の良さがあります…

「舞」「踊り」「神楽」「採物」について

民俗小事典 神事と芸能 神田より子/俵木悟 361Pより 舞 記紀には儛ともみえる。舞うは廻るを語源とするところから、折口信夫は舞を旋回運動であるとした。『古事記』の酒楽(さかほがい)の歌に酒を作るに際してその周りで歌い舞ったことがみえ、歌舞は酒に…

舞と踊りの区別~舞は周囲から囃されて身体を動かすもの、踊りはみずからを囃して動くもの。

民俗小事典 神事と芸能 神田より子/俵木悟 355-356Pより 舞と踊りの区別については、近代以前に唯一、近世の国学者本居内遠の『賤者考』があり、「舞は態を模し意を用ふる故に、巧にて中々に賤しき方なり、踊は我を忘れて態の醜からむもしらず、興に発して…

御啓行(道ひらき)の神、猿田彦大神は蛇神という説。そして香々地(かがち)の夷谷(えびすだに)。

日本書紀より猿田彦大神について 「一柱の神有りて天八達之衢(あまのやちまた)に居り。其の鼻の長さ七咫(ななあた)、背(そびら)の長(たけ)七尺(ななさか)あまり。まさに七尋(ななひろ)と言うべし。また口尻(くちわき)明り光れり。眼は八咫鏡の…

日本には古来から、力足を踏んで悪いものを踏み鎮める所作があった。

民俗小事典 神事と芸能 神田より子/俵木悟 356-357Pより 反閇(へんばい) 邪気を払う呪術的足踏み。早川孝太郎が、愛知県北相楽地方の花祭(霜月神楽)における反閇に言及して以後、神楽など民俗芸能の足拍子にこれが見られるということで、民俗研究者間に…

瓊瓊杵尊の神面を打っていただきました~欣喜雀躍の神渡舞を舞います

面打師の田中俊成さまに、瓊瓊杵尊の神面を打っていただきました。 瓊瓊杵尊 神面 『古事記』では、天邇岐志国邇岐志天津日高日子番能邇邇芸命(あめにぎしくににぎしあまつひこひこほのににぎのみこと)、天津日高日子番能邇邇芸命(あまつひこひこほのにに…

巫は祝なり、女の能く無形に事(つか)へ、舞を以って神を降すものなり。

鳥装の司祭者 八百万の神々~神楽面の世界 「鳥面鳥装」小考 千家和比子 より さて、弥生時代の人物画である。そのうちに「鳥装の司祭者(シャーマン)」がある。この類の描画には、頭頂の羽飾り表現や、大きな袖を表わした衣装を纏い両手を万歳姿のように高…

品が悪くなったらおしまい。綺麗にやっていく。贅肉を落として神楽をすっきりさせることが大切。

八百万の神々~神楽面の世界より 八百万の神々~神楽面の世界 江戸里神楽公演学生実行委員会 ご自分の顔を鏡でご覧ください。顔の左と右が不対称になっていることに気が付くと思います。能面の写真を見てください。どうでしょうか。面の左右がやはり不対称的…

ニニギノミコトの装束試作品写真(笠沙・神渡之舞用)

装束製作担当のなみさんが、笠沙・神渡之舞用の装束の試作品を縫製してくれました。 神渡之舞装束試作品 古墳時代~奈良時代にかけての古代服を元にデザインしてあります。勾玉・管玉で首飾りをつくる予定です。鏡と剣は身につけるかどうかは思案中です。 イ…

舞の瀬、ここで舞う身体能力って(笑)

さっきの記事で出てきた「舞の瀬」ですが、こんな感じです。 舞の瀬 以前、現地に行ったときも思いましたが、この上で舞うとか……普通は考えません(笑)。まして、面をつけてとか。なんですが今回、私は舞いたいと思います。 地元の伝承に残る『欣喜雀躍(き…

神渡海岸の舞の瀬で『欣喜雀躍の舞』を舞うかもしれません。

黒瀬海岸(神渡海岸) 【瓊々杵尊上陸地の碑文】天孫瓊々杵尊は天照大神の命を受け豊葦原の瑞穂の国を治めるため高天原から九州は日向の高千穂の峰に降臨された。 その頃一帯は不毛の荒野であったため尊の一行は肥沃の地を求めて日南海岸を舟で南下し薩摩半…

猿田彦さまの舞面と飾り面

左下の飾り面は福岡の猿田彦神社さまの、右上の神楽面は石見の柿田面工房さまのものです。どちらの面も、神話の特徴がよくあらわれていて大好きです。 導きの神さまということで、特に道に迷うこともなく過ごしております。きちんと気付けをした写真とか飾っ…

太陽神サルタヒコノオオカミとアメノウズメノミコト

古事記(上)次田真幸 講談社学術文庫174-175P 猿田毘古神(さるたびこのかみ) さてヒコホノニニギノ命が、天降りなさろうとするときに、天から降る道の辻にいて、上は高天原を照らし、下は葦原中国を照らしている神がいた。そこで、天照大御神と高木神の仰…

えびす(恵比須/夷/戎/恵比寿/蛭子)さまについて

笠沙恵比寿で恵子さんが恵比寿の舞を舞うので、整理しています。 居麦近掌 えびす(恵比須/恵比寿/恵美須/夷/戎/蛭子) 古くは豊漁の神。のち七福神の一人として、生業を守り、福をもたらす福徳の神。商売繁盛や豊漁・豊作をもたらす神 狩衣・指貫・風…