大蛇之儛(舞ひ)

大蛇面をつけて舞う儛人のブログ

御啓行(道ひらき)の神、猿田彦大神は蛇神という説。そして香々地(かがち)の夷谷(えびすだに)。

日本書紀より猿田彦大神について

「一柱の神有りて天八達之衢(あまのやちまた)に居り。其の鼻の長さ七咫(ななあた)、背(そびら)の長(たけ)七尺(ななさか)あまり。まさに七尋(ななひろ)と言うべし。また口尻(くちわき)明り光れり。眼は八咫鏡の如くして然(てりかがやけること)赤酸醤(あかかがち)(ほおずき)に似たり」

「一人の神が天の八衢(道の分かれるところ)に居り、その鼻の長さ七握、背の高さ七尺あまり、まさに七尋というべきでしょう。また口の端が明るく光っています。目は八咫鏡のようで、照り輝いていることは赤酸漿に似ています」

日本書紀より八岐大蛇について

「頭と尾はそれぞれ八つずつあり、眼は赤い鬼灯(酸漿)のようであった。松や柏が背中に生えていて、八つの丘、八つの谷の間にいっぱいにひろがっていた」

八岐大蛇……私は「やちまたのおろち」と読みます。そして、猿田彦大神は天の八衢(天と地が繋がる道)に立つ神。岐神と同じく境界の神。「衢(ちまた)の神=ちまたのかみ」です。

どちらも、「ちまたのかみ」です。

吉野裕子先生の説では「猿田彦は蛇神」とされています。笠狭崎で国を譲った国津神の事勝国勝長狭命も蛇神。そして、笛は蛇の象徴です。

八岐大蛇之舞を舞う私が猿田彦大神の八衢之舞を舞おうと決めたのは、そんな理由です。

そして、神渡之舞では笛とともに舞います。

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かがち

一昨年の大晦日香々地町夷谷(えびすだに)に行きました。そう。そして今年は笠沙恵比寿で舞います。

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笠沙恵比寿

さらに、蛇象徴の植物群の中では蒲葵が抜群に神聖視され、その蒲葵葉の代用が扇となりました。

そう。笠沙には枇榔島(ビロウジマ:沖秋目島)があります。

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枇榔島

古代天皇制においては松竹梅よりも、何よりも神聖視された植物で、公卿(上級貴族)に許された檳榔毛(びろうげ)の車の屋根材にも用いられた。天皇の代替わり式の性質を持つ大嘗祭においては現在でも天皇が禊を行う百子帳(ひゃくしちょう)の屋根材として用いられている。民俗学折口信夫はビロウに扇の原型を見ており、その文化的意味は大きい。扇は風に関する呪具(magic tool)であったからである。
吉野裕子 『扇―性と古代信仰―』より

というわけで、偶然にしてはできすぎな展開となっております。当日は、枇榔の葉を手に舞うことになるかと思います。