いわながひめの舞~ひどく醜いということは、ひきかえに永遠の命をもたらす

岩長姫の動きが美しいです。 

maturinookkake.blog.fc2.com

古事記』では石長比売、『日本書紀』と『先代旧事本紀』では磐長姫とされています。福岡県糸島市志摩船越にある若宮神社では、苔牟須売(こけむすめ)神として祀られています。

大山津見神(おおやまつみ)の娘で、木花之佐久夜毘売(このはなさくやびめ)の姉。

木花之佐久夜毘売とともに天孫邇邇芸命の元に嫁ぎますが、石長比売はひどく醜かったために父の元に送り返されてしまいます。大山津見神はそれを怒り、石長比売を差し上げたのは天孫が岩のように永遠のものとなるように、木花之佐久夜毘売を差し上げたのは天孫が花のように繁栄するようにと誓約を立てたからであることを教え、石長比売を送り返したことで天孫の寿命が短くなるだろうと告げます。

日本書紀』には、妊娠した木花開耶姫を磐長姫が呪ったとも記されていて、それが人の短命の起源であるとしています。

古事記』において大山津見神の娘で、須佐之男命の子の八島士奴美神と結婚した木花知流比売(このはなちるひめ)は石長比売の別名であるとする説もあります。

 

宗像教授異考録 第六集(星野之宣

「ひどく醜いということは、ひきかえに永遠の命をもたらすと信じられていたのかもしれん」157P

「入り口などに彫られるのは、弓矢・盾・剣、つまり武器の類……死者の眠りを妨げる悪霊が近づかないよう、武器によって威嚇しているのだ……のちの鬼瓦なども恐ろしい形相で間の侵入を拒む意味があった。」192P

「人間にとって醜く恐ろしいものほど、悪霊にも効果があると考えられたのだろう。」193P

 

私は、磐長姫の舞が大好きで、よく舞います。美しい木花開耶姫ばかりが注目されますが、醜女である磐長姫の舞こそが疫病退散には力を発揮してくれます。3月21日に鹿児島県某所で舞いたいと思います。