失われた青春を、老いてから取り戻そうとするこじらせた中年の姿は滑稽です。

 過去との決別ができず、一度終わってしまった失われた青春を、老いてから取り戻そうとするこじらせた中年の姿は滑稽です。

 「自分の本当にやりたかったことって何だったのだろうか?」と、生きる意味を問いただして、「自分の人生って何だったのだろう」と考えてしまう「中年の危機」。思っていたほどの幸福感が得られなかった半生、自分自身の限界が見えてしまい、頑張っても成長できない。そんな状況の中、失われた青春を取り戻そうと舞台で脚光を浴びようとする……需要もないのに。

 無理やり自分が舞台に立てる状況をつくりだし、本当の意味で推してくれる人がいない中、つまらないパフォーマンスをし、自画自賛して自己満足に浸る。そんな行為を繰り返してみたところで満たされるわけもなく、こじらせが深刻になっていきます。いい大人が幼児的なナルシシズムを満たそうとする行為を応援し続けてくれることは、ほぼありません。

 途中で我にかえって軌道修正できればよいのですが、認知的不協和で「自分がやってきたことは間違いではなかった」という認知の歪みを生じているのでそうもいきません。

 わかってやっているぶんにはいいのですが、自己陶酔してやっているとほんとに哀れな姿になってしまうので、自分の現実というものを受けいれて冷静になることが大切だと思います。

 後々、後悔しないためにも。