怖い口をしている人。上唇が薄くのっぺりとしていて、口が裂けているような印象。

Twitterで、「上唇が薄くてのっぺりしている人について」のコメントをいただきました。

舞面を打つときに、「わがままで自己中心的、愛情欲求が強く、他者に愛を与えない役」の特徴を出すときに、上唇を薄く彫るそうです。唇が薄い舞面で演じる役は、「愛着が薄く淡白で、深い人間関係を築かないもの」とされています。「打算的で、自分だけが正しいと考える、他者を受けいれない冷たい役」を舞うことになります。

似非スピ・キラスピにハマっていく人たちの顔の変化と、能面の生成・般若(中成)・真蛇(本成)についての解説が相応しているなって思います。

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般若面を打つ -原寸型紙と詳細なプロセス写真で学ぶ 倉林 朗 (著) より

こちらのリンクがわかりやすいと思います。

togetter.com

真蛇を見てみましょう。

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真蛇面

上唇、薄いというより、ありません。人中もなく、のっぺりとしています。

機能的に見てみると頬(ほっぺた)と唇は協調してはたらきます。ヘビやワニなどの爬虫類は、卵で生まれてきくるので乳を飲むことはありません。つまり、頬や唇は必要ありません。このため、爬虫類を横から見ると、口が裂けて奥歯まで見えます。

哺乳類の多くは、おっぱいに吸いついて母乳を飲むために頬と唇が発達しているために奥歯まではみえません。頬と唇は哺乳類が母乳を飲む為に進化の過程で獲得したシステムであるといえます。人類は唇の特に発達した動物であり、言語活動においても,唇は重要な役割を果しています。

ヒトの粘膜部、皮膚部ならびにそれらの間の移行部は、外面に露出して紅唇をなします。唇の部分は感覚神経が発達していて、触覚に対して非常に鋭敏です。唇の深部には口輪筋があり、この収縮によって、口腔を完全に閉じることができます。

末期の界隈民を観察してみると、真蛇の顔になっているので、オチしてみるのもいいかもしれません。

ちなみに、私の大蛇面は怨霊ではないので、可愛いです。

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大蛇面