「注目されたい」「何者かにならなければいけない」という想い

 谷本容疑者は板金工場で働いておられ、腕の良い職人として評価されていたそうです。2010年ごろまで勤務していた同市淀川区の工場の社長(78)は「まじめで責任感があり、仕事ぶりもずばぬけていた」と振り返ったとのこと。

 スマートフォンで多数の犠牲者が出た国内外の放火殺人事件や大量殺傷事件に関する研究論文を検索し、「死ぬ時くらい注目されたい」「日本史上最悪の凶悪事件ではどんな事件がありますか?」と入力していたそうです。

 孤独だからこそ注目されたいと願うし、何者にもなれていないから注目されたいと思うのかもしれません。現実的には、注目されるのはめんどくさい事態につながりやすかったりするのでほどほどでいいし、ほどほどに愛されていれば何者かになる必要はないと思います。困窮も孤独の一形態だという気がします。

 「お前はいらない。必要ない」と言われたときにショックを受ける必要はないと考えております。それはあくまで相手の気持ちであり、相手の領域のことです。相手にとって自分が必要のない人間であるという事実がそこにあるだけであって、必要とされたいという期待がなければ、ただそれだけのことでしかありません。必要とされないことによるメリットも、それなりに存在します。

 悪目立ち(好ましくない面において人よりも目立つこと)するくらいなら、ひっそりと目立たないように生きている方がいいような気もします。困窮しないだけのコミュニケーション能力は必要だと思いますが、注目される必要はないのではないかと思います。そこにいるだけで他者を魅了できるようなレベルでない限りは、出しゃばらない方がよいと考えております。

 現実生活を充実させることに集中した方が結果につながりやすいそうです。幼児的な注目を求める言動はデメリットが多いので、地味にやっていくのがいいと考えております。