2019-11-11から1日間の記事一覧

神の鎮魂~神話の中の舞踊~人間の言語発生以前からもっていた舞踊というコミュニケーション、魂の対話。

日本の舞踊 渡辺保著 岩波新書 43P 舞踊は、現代のあらゆる芸術のなかで、もっとも古い起源をもつ芸術の一つである。その歴史はほとんど人間の歴史に等しく、言語発生以前からのものであった。 もっとも舞踊は、その起源においては芸術ではなかった。「自分…

美しいフォルムは、その美しさをこえ、フォルムをこえた時に、その舞手の「身体」の深奥に及んで、人生の生きることの意味を、はじめて人に示した。

日本の舞踊 渡辺保著 岩波新書 78P浮世絵と文楽人形。二つとも静のポーズによって成り立つ。人形はさながら人間のように動くものであるが、実は人間とは違った抽象的な「身体の線」を舞台に描くものであり、その意味では、浮世絵と同じく静的な線の連続に過…

身体の美しさこそすべて

日本の舞踊 渡辺保著 岩波新書 72Pより そこで必要な物は物語や歌詞の意味ではなく、身体そのものの美しさだったからである。 舞踊を見るたのしみの第一は、この身体の美しさにある。その場合の「身体」の概念がどこまでひろがるかはしばらくおいて、身体そ…

虚の身体をつくる

日本の舞踊 渡辺保著 岩波新書 28Pより 舞踊の身体でまず大事なのは、その舞踊にふさわしい基本的な様式を身体がもっているかどうかである。 二代目藤間勘右衛門は、入門した弟子の身体を見て、この子は踊れるかどうかがすぐにわかるといっている。つまり骨…