舞人が「型」どおりに陰陽の動きを繰り返す舞を舞うと、舞人の陰陽が調(ととの)います。そして、調った舞人の陰陽は、その空間の陰陽をも整えていきます。手をあげて前に進む動きは「陽」、腕をひらいて後ろに退く動きは「陰」、左への動きは「陽」、右への動きは「陰」。舞の動きによって、空間の陰陽が整っていくのです。
小手による陰陽の動き。大蛇之舞のときは離して舞っていますが、基本はこの型となります。
陰陽の小手。右手母指曲げ、左手母指反り。 pic.twitter.com/iHH20Ztujd
— 安部吉孝@大蛇之舞人・身体操作指導者 (@yocchan19681) December 19, 2019
わかりやすいように、ゆっくりと動作を止めながら動かしています。観ているだけで、陰陽が調っていくのがわかると思います。陰陽が調えば、いろんなことが円滑になっていきます。言葉で伝えるのは困難を極めますので、実際に観ていただくとよいでしょう。この視点で、能を鑑賞しに行くと「なるほど」感に満たされるはずです。